N-Alkylation of Functionalized Amines with Alcohols Using a Copper-Gold Mixed Photocatalytic System

Lyu-Ming Wang, Yuna Morioka, Kellie Jenkinson, *Andrew E. H. Wheatley, *Susumu Saito, and *Hiroshi Naka

Sci. Rep. 8, 6931. (2018). (DOI: 10.1038/s41598-018-25293-z) [Free PDF]

 官能基をもつ三級 N-アルキルアミンは医薬品や色素として産業的に広く使われています.アルコールを用いるアミンの N-アルキル化反応は,最もクリーンなN-アルキルアミンの合成法です.しかし従来法では高温条件 (100–400 ºC) を必要とするため,過酷な条件に不安定な官能基を有する N-アルキルアミンの合成は困難でした.今回私たちは,光触媒とアルコールを使った新たなアミンのアルキル化反応を開発することで,複雑な三級 N-アルキルアミンを室温付近の温和な条件で効率的に合成する方法を確立しました.成功の鍵は,銅と金を助触媒とする酸化チタン光触媒 (Cu/TiO2 と Au/TiO2) の二つを混ぜる「混合光触媒系」を発明したことです.この方法を使ってはじめて,医薬関連物質やその重水素化体を,光と(重水素化)アルコールを利用して室温付近の温和な条件で合成できることを明らかにしました.さらに,一級アミンのモノアルキル化や,二種類のアルコールを用いた連続的なヘテロジアルキル化反応もできることを示しました.

 

 

The Noyori Laboratory

名古屋大学 大学院理学研究科 野依特別研究室

名古屋大学 物質科学国際研究センター 分子触媒研究分野