Pd/TiO2-Photocatalyzed Self-Condensation of Primary Amines to Afford Secondary Amines at Ambient Temperature

Lyu-Ming Wang, Kensuke Kobayashi, Mitsuhiro Arisawa, *Susumu Saito, and *Hiroshi Naka
Org. Lett., 21, 341–344 (2019). (DOI: 10.1021/acs.orglett.8b03271)
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 対称な二級アミンは医薬品や機能性材料として,またそれらの合成原料として重要な有機物質です.今回私たちは,光触媒を用いた一級アミンの自己縮合反応によって対称な二級アミンが簡単に合成できることを明らかにしました.この自己縮合反応はシクロペンチルメチルエーテル (CPME) 溶媒中で一級アミンを室温,一気圧 (Ar) の温和な条件下,UV-LED ランプで照射すると,効率よく進行し,対応する様々な二級アミンを収率よく与えます.Xe ランプを使えば 10 mmol スケールでの反応も可能であり,Pd/TiO2 光触媒は回収•再利用ができることがわかりました.さらに,アミンの自己縮合反応を行なった後に,エタノールと Pd/TiO2 を用いたエチル化反応を施すことで,連続的な光触媒反応による医薬品アルベリンの合成も可能です.この方法は従来の熱的な方法で合成するよりも高い収率でアルベリンを与えます.以上の光触媒反応は,古典的な反応で課題となる塩廃棄物の排出や,高温条件を必要としない点で資源•エネルギー•環境の観点から優れた方法論といえます.

 

The Noyori Laboratory

名古屋大学 大学院理学研究科 野依特別研究室

名古屋大学 物質科学国際研究センター 分子触媒研究分野