Hydration of Terminal Alkynes Catalyzed by Water-Soluble Cobalt Porphyrin Complexes

Tadashi Tachinami, Takuho Nishimura, Richiro Ushimaru, Ryoji Noyori, and Hiroshi Naka 
J. Am. Chem. Soc. 135, 50−53 (2013). (
doi: 10.1021/ja310282t) [PDF]

 

 今回我々は水溶性のコバルト触媒を用いた末端アルキンの水和反応を開発した.末端アルキンの水和反応は水とアルキンからメチルケトンを合成する上で有効な手法の一つである.従来は水銀もしくは金触媒を用い,酸性条件下で反応させる必要があったため利用可能な基質に制限があった.今回の手法では,0.1~2 mol % の水溶性のコバルト(III)ポルフィリン触媒存在下,ほぼ中性条件・空気雰囲気下で末端アルキンの水和反応が進行する.シリルエーテルやエステル,アミド,ニトリル,グリコシド結合(アセタール)など,多様な官能基が保持される.グラムスケールの反応や,分液抽出による触媒の再利用も可能である.

The Noyori Laboratory

名古屋大学 大学院理学研究科 野依特別研究室

名古屋大学 物質科学国際研究センター 分子触媒研究分野